一般病院における看護師の就業状況において大きな問題となっているのが離職率の高さです。2018年のデータになりますが、正規雇用の看護師の離職率は10.7パーセント、10人に1人は早い段階で退職してしまうことになります。しかも同じデータでは既卒の離職率が17.7パーセント、新卒が7.8パーセントとなっており、経験のある看護師ほど早く辞めてしまう現状が明らかになっています。慢性的な人手不足と言われて久しい看護業界ですが、実際のところ看護師の数そのものは増加しています。なのにどうして人手が不足しているのか?そこには福祉・介護業界をはじめとした看護ニーズの増加と多様化のほか、やはり就業環境の問題が大きく関わっています。看護師は働きたいと思っているので勤務環境が厳しくて働けないというケースが非常に多いわけです。そんな中、一般病院などでは看護師の採用方法を転職エージェントにシフトする傾向が見られています。これは2019年のデータですが、一般病院をメインとした全国約8400の病院で行ったアンケートでは看護師の採用時に転職エージェントを活用していたところは全体の78パーセントにも及んでいました。これはハローワークとほぼ同水準の数字となっています。転職エージェントは職探しをしている看護師にとって便利なサービスですが、医療機関の立場から見てもスキルや対応可能な勤務時間など職場にフィットする人材を見つけやすいメリットがあるため積極的に活用するところが増えているのです。この点からも看護師が就職、転職活動を行う際に看護師向けの転職エージェントを利用するのは理にかなっているといえるでしょう。今後もこのような傾向は続くことが予想されます。